ニュース: 土を使わない植物栽培技術『気相栽培法』と栽培ユニット装置の特許登録について
株式会社GCJ(大阪市:社長木下明)は、土を使わず室内で植物を育てるこれまでにない新しい技術を開発しました。開発した装置『RB型植物ユニット(*1)』(BOX)内の天井にLEDを光源として設置し、土のない人工地下部(特殊なセラミック板で最適環境を維持)と少量の停滞水・養液で栽培する技術を『気相栽培法・GPC Tec(*2)』と名付けました。従来の室内での栽培法よりも設備が安価で維持でき、年間通じて省エネルギーで生育できます。当社は、京都府立大学精華キャンパス産学連携において共同研究を長く行っていて、この度の技術と装置を活用して、葉物類はもちろん、ジャガイモやウコン・わさびなどの根菜類をはじめ、イネやイチジクなど約40種類の植物の生育に成功しました。この度、特許登録(特許第7514580号)とともに広く情報を公開し、ユニットの販売やリースなどによる天候に左右されない植物プラント工場の設置をはじめ、農産物が生産できない肥沃な土のないエリアや将来の宇宙事業における月面農場・宇宙ステーション内での食糧生産への技術・装置提供を視野に事業創出を目指します。また、更なる研究・開発を進め、ユニットを活用した特性植物の養分調整などの研究開発受託事業や、世界で注目されている植物化学工業を活用したグリーンケミストリーの産業基盤にも技術寄与していきます。
RB型植物栽培ユニット
【ユニットの特徴】
・光源はLEDランプを天井に配置
・ルートボックスには収穫用の窓あり
(根の生育状況も窓から確認できます)
・複数のユニット結合が可能(1ユニット約40キロ)
(設置場所のスケールに併せたプラント建設が可能)
・養液に酸素を供給するための循環装置は不要
(特性セラミックと定水位装置で最適な環境を維持)
・室内なので気候変動や環境に影響されない
【気相栽培法】
地上部の葉や茎にある気孔とは別に、空気を吸う「根」を「気相根」と名付けました。
細かい綿状に見える「気相根」写真①は「地下部」の空間(空気層)に発達します。もともと土(土壌) のあちこちにある空気のある小さな空間に少しずつ存在する「気相根」が、土なしの「地下部」の空間に発達します。
空気と水が交互に満たす小さな空間の多い「良い土(土壌)」は、空気を吸う「気相根」の存在に負っています。開発した、人工の「地下部」を持つこの栽培ユニットは、根の一部を養液に浸す(液相根)とともに、大部分の根が空中にあることによって、「気相根」の発達を促す機能があります。「気相根」が発達した植物の「液相根」は、養液中の溶存酸素が欠乏しても枯れることはなく、生長にも悪い影響が出ないことも確認出来ました。
人工地下部の空気中(気相域)に多くの根が伸びている様子
【栽培に成功した植物事例】
ジャガイモ |
ウコン |
イチジク |
イネ |
【その他実績】
トウモロコシ・イチゴ・キュウリ・ミニトマト・ナス・バジル・シソ・タマネギ・サツマイモ・サトイモ・ニンジン・ショウガ・ウラルカンゾウ・ハッカ・トウキ・キキョウ・ワサビ・ダイコンなど根菜類を中心とした数多くの植物の成長と発育に成功
【会社概要】
◆設立:2022年6月◆代表取締役社長:木下明
◆事業内容:気相栽培事業・ツリーシェルター事業・GーSTICK事業・特定母樹増殖事業
◆研究所:京都府立大学精華キャンパス内・泉佐野市2拠点
◆精華研究所所長:田中國介
学歴:京都大学大学院農学研究科農芸化学専攻博士課程修了:1969年3月
職歴:1970年11月:京都大学食糧科学研究所助手
1977年10月~1978年12月アメリカ合衆国フロリダ大学医学部生化学および分子生物学研究室客員研究員
1982年10月京都府立大学農学部助教授
1986年~1991年ロックフェラー財団国際イネ遺伝子工学研究グループ構成員
1991年5月京都府立大学農学部農芸化学科教授
1997年4月京都府農業資源研究センター基礎研究部長(併任)
2004年3月京都府立大学定年退職・名誉教授その後現職
(主な研究)
種子中での有用物質の集積機構に関する研究・米の食味改良に関する研究
活性酸素消去系遺伝子の単離と構造解析・非土壌植物栽培技術による有用植物栽培
*1は特許登録済 *2は商標登録出願中
【問い合わせ先】
株式会社GCJ 気相栽培GC事業部
Mail:info@gcj-labo.jp:a.kusunoki@gcj-labo.jp
HP:www.gcj-labo.jp
担当:事業推進部・楠木(くすのき)080-7170-2836
PDF: 土を使わない植物栽培技術『気相栽培法』と栽培ユニット装置の特許登録について
YouTube:「RB型植物栽培ユニット」を用いた『気相栽培』